地頭力を鍛える

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

・冒頭より。インターネット情報への依存は3つの危険をはらんでいる。

・鮮度は高いが精度に疑いが残る
・陳腐化が激しい
・依存により思考停止に陥る

この本では主に3に対しての対策として、自分の頭で考えるツールとして
フェルミ推定」をあげている。

フェルミ推定」とは、つかみどころのない物理量を短時間で概算することで、
本文中では「日本中に電柱は何本あるか?」などの例題を出し、実際に読者に考えさせてくれる。
ここで大事なのは、答えの精緻性ではなく、解答にいたるまでの思考プロセスが大事だとある。

・いまある情報だけでもっとも高い結論を想定し
・最終目的を強く意識し
・精度を上げながら検証を繰り返し
・仮説を修正しつつ結論に至る。

これが優れたプロセスである。

優等生タイプはとかく精緻な情報から準備しようとするが、

・仮説
・フレームワーク思考
・抽象化思考
・知的好奇心

が大事であると説く。

この考えは実際にビジネスにおいて
「3年向こうの計画案」というようなものを提示する際にも有効である。
細かいことをずっと考えてもしょうがない、ということだ。
木を見て森を見ず
といった感じか。

本書では「結論から」「全体から」「単純に」を繰り返し説いている。
後半はフェルミ推定の応用例もあり、考え方について考える良書だと感じた。

この本のはじめを読んでいて、ショウペンハウエルの「読書について」を思い出したが、
この本では「具体的な頭の使い方」を丁寧に説明している点が良かった。

■ 思いつき
この本を読んで、自分の行動を毎日見直せるようなチェックシートを作ってみてもいいなあと思
った。
うん、実際に作ってみるか。

読書について 他二篇 (岩波文庫)

読書について 他二篇 (岩波文庫)