20代仕事筋の鍛え方
- 作者: 山本真司
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2005/08/20
- メディア: 単行本
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■この本のメッセージは、
「20代、まわりのなんやかんやの情報に踊らされたり、短期の成功に目をくらまされるな」 「君らが身につけるべき力は、時代が変わっても対応できる普遍的な力だ」
に集約されると思います。
普遍的な力を結論として
「苦労力」
としてまとめています。
苦労力とは
極端に集中し、努力し、学習力を身につけ、自分の力ではどうにも出来ないことを受け入れる受容力 をすべてあわせた、苦労に立ち向かえる力。
苦労力の身につけ方
1. バランスを崩し (極端力) 右足を1歩出す 2. 他人の4倍努力する (努力力) 3. 学習力が磨かれる (学習力) 4. 左足を1歩前に踏み出してバランスを戻す 結果を素直に受け入れる (受容力)
■そもそもの20代への問題提起は以下のようなものです。
・世間の情報に踊らされていないか ・情報過多の中で思考停止していないか ・皆で渡れば怖くないと、考えることから逃げてはいないか
キャリア戦略 3タイプ
1.青い鳥族=解けない方程式を解こうとする →正解を見つけられず現実逃避する 2.スキル狂信者=方程式を解くことを放棄して流行りモノのスキルに飛びつく →「他人の奴隷」から抜け出せない 3.モラトリアム族=方程式を無視はしないが解こうともしない →中途半端人生
20代の若者に蔓延する3つの病
・生き急ぎ症候群 ・成功呪縛病 ・戦略偏執症
早めに人生の勝負をつけようと急ぎ、金銭的な成功をひたすらに追いかけ、自分の実力よりポジションで
勝とうとする
3つの病は言い得て妙だなと感じました。
それぞれに属するだろう知人を簡単に挙げることが出来ますし、自分も当てはまるかもしれないとも感じます。
■著者のそのような若者に対するメッセージはこうです。
将来の予見が不可能な10〜20年先のキャリアポジショニング戦略(立ち位置で勝とうとする戦略)なんて作れない。 20代はケイパビリティ(20年後のためひたすら実力を磨く戦略)を磨きまくるしかない
著者が本書で示すケイパビリティは3つあり、アプリ、OS、マシン性能として分かりやすく説明しています。
・アプリケーションスキル
・ファイナンス、マーケティング、会計、投資理論、M&Aスキルなど ・2,3年のブーム 流行があり寿命が短い ・必要に応じて学ぶか、教わればよい
・OSスキル
・ロジカルシンキング、コミュニケーションスキル、ファシリテーションスキルなど ・寿命は若干長いが10年程度 ・今のOSはアメリカ型資本主義をもとにしている。次の10年はイノベーションかも? ・20代は将来のOSに備えるべき
・マシン性能
・どんな仕事でも良い。マシン性能の向上に資する限り ・学習-リターンのサイクルをしっかり回す
20代で学ぶべきはマシン性能である。
そのほかはいつでも勉強できるし、聞けば済むことも多い。
この先40代で花を咲かすつもりで大きく構えなさい。
と著者は言います。
マシン性能を磨く4つの力
極端力
ひとつのことに極端に集中して資源配分する力 雑念や打算もすべて忘れて対象に没入する。 意識的にバランスを崩す。(バランスを崩さなければ最初の1歩は永遠にこない) 1歩目を出したら、中長期でバランス戻しの1歩を出せばいい。
努力力
どんなテーマが与えられても努力を惜しまない力 他人の4倍努力する。 バランスを崩すため。バランスを崩せない=ビジネススキル評論家、優等生
実現条件
・努力へのエンジン点火(ネガティブ感情:劣等感、敗北感、焦りなど) ・エンジンを回すガソリン(競争心、闘争本能) ・挑戦を持続させるもの(血湧き肉踊る夢)
努力力の中身
・地味な下積みもいとわない ・仕事をもぎ取る積極性 ・自分の金を投資する姿勢
努力力発揮体験で学ぶべきこと
・限界値への挑戦経験 ・報われる成功経験
学習力
新しいものを効率よく学ぶ力 次々に難しい課題に挑戦して学ぶ。
学習力3段階
1. 要約して覚える学習 ・最低限の力を効率よく。理解は浅い 2. 相手の頭で考える学習 ・学ぶ対象と完全に同化しようとする学習 ・論理やプロセスを完全に追跡し、頭で再現 ・時間効率は極めて悪いが、理解は深い 3. 自分の頭で考える学習 ・自分の見方で対象を理解する学習。 ・ざっと目を通し、「要するに何が言いたいのか」をじっと考え、一言のメッセージから 逆に細かいところを理解する ・時間効率はよく、理解も深い ・修練が必要。努力力、極端力を突き詰めた人間にのみ贈られる。
※読んでいて「本を読む本」を思い出しました。(著者も意識している?)
- 作者: J・モーティマー・アドラー,V・チャールズ・ドーレン,外山滋比古,槇未知子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/10/09
- メディア: 文庫
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受容力
極端力の反作用を受け入れるだけの達観できる力 ・どうにも出来ないことは受け入れる。 ・自分の力で直そうとすると破綻への道になることも。
この4つを合わせた苦労力を20代は学ぶべき。
■所感
「生き急ぎ」が20代に対する問題と書いてありましたが、それはこの本で言う世間の情報に踊らされた生き急ぎ、
ステータスを追い求めた生き急ぎ、人生の早い段階で成功してまとめてしまおうという生き急ぎ、であり、基本的には
「生き急ぎ」は必要なことなのではないかと思います。
いい意味で生き急がないと成功(ステータス的な意味ではなく)は不可能でしょうからね。
本書のメッセージの1つは
「正しい方向へ生き急げ」
そう言い換えられるかもしれません。
また、知の高速道路(インターネットの普及がもたらした学習の高速道路と大渋滞)
における大渋滞から頭一つ抜け出すのに必要なのは、本書に出てくるような「仕事筋」・「マシン性能」というのが一つの回答に成り得る
かもしれないと思いました。
また一方で、こんなエントリも最近読みまして。
ココ↑に記載されていたものを読んだだけでも。。
男性も女性も大変。(^^;)
情報に踊らされていい意味(?)でステータス追っかけて少子化対策に貢献!
て輩がいても不思議じゃないですけどね^^
私は著者の言うような40代で大成できるような人間を目指します。
(選択肢だって、それしかないってか 笑)