20代仕事筋の鍛え方

20代 仕事筋の鍛え方

20代 仕事筋の鍛え方

■この本のメッセージは、

「20代、まわりのなんやかんやの情報に踊らされたり、短期の成功に目をくらまされるな」
「君らが身につけるべき力は、時代が変わっても対応できる普遍的な力だ」

に集約されると思います。


普遍的な力を結論として

「苦労力」

としてまとめています。
苦労力とは

極端に集中し、努力し、学習力を身につけ、自分の力ではどうにも出来ないことを受け入れる受容力
をすべてあわせた、苦労に立ち向かえる力。

苦労力の身につけ方

1. バランスを崩し                       (極端力)
   右足を1歩出す
2. 他人の4倍努力する                    (努力力)
3. 学習力が磨かれる                     (学習力)
4. 左足を1歩前に踏み出してバランスを戻す
   結果を素直に受け入れる               (受容力)

■そもそもの20代への問題提起は以下のようなものです。

・世間の情報に踊らされていないか
・情報過多の中で思考停止していないか
・皆で渡れば怖くないと、考えることから逃げてはいないか
キャリア戦略 3タイプ
1.青い鳥族=解けない方程式を解こうとする
→正解を見つけられず現実逃避する
2.スキル狂信者=方程式を解くことを放棄して流行りモノのスキルに飛びつく
→「他人の奴隷」から抜け出せない
3.モラトリアム族=方程式を無視はしないが解こうともしない
→中途半端人生
20代の若者に蔓延する3つの病
・生き急ぎ症候群
・成功呪縛病
・戦略偏執症

早めに人生の勝負をつけようと急ぎ、金銭的な成功をひたすらに追いかけ、自分の実力よりポジションで
勝とうとする

3つの病は言い得て妙だなと感じました。
それぞれに属するだろう知人を簡単に挙げることが出来ますし、自分も当てはまるかもしれないとも感じます。

■著者のそのような若者に対するメッセージはこうです。

将来の予見が不可能な10〜20年先のキャリアポジショニング戦略(立ち位置で勝とうとする戦略)なんて作れない。
20代はケイパビリティ(20年後のためひたすら実力を磨く戦略)を磨きまくるしかない

著者が本書で示すケイパビリティは3つあり、アプリ、OS、マシン性能として分かりやすく説明しています。
・アプリケーションスキル

・ファイナンス、マーケティング、会計、投資理論、M&Aスキルなど
・2,3年のブーム 流行があり寿命が短い
・必要に応じて学ぶか、教わればよい

・OSスキル

・ロジカルシンキング、コミュニケーションスキル、ファシリテーションスキルなど
・寿命は若干長いが10年程度
・今のOSはアメリカ型資本主義をもとにしている。次の10年はイノベーションかも?
・20代は将来のOSに備えるべき

・マシン性能

・どんな仕事でも良い。マシン性能の向上に資する限り
・学習-リターンのサイクルをしっかり回す

20代で学ぶべきはマシン性能である。
そのほかはいつでも勉強できるし、聞けば済むことも多い。
この先40代で花を咲かすつもりで大きく構えなさい。
と著者は言います。

マシン性能を磨く4つの力

極端力

ひとつのことに極端に集中して資源配分する力
雑念や打算もすべて忘れて対象に没入する。
意識的にバランスを崩す。(バランスを崩さなければ最初の1歩は永遠にこない)
1歩目を出したら、中長期でバランス戻しの1歩を出せばいい。

努力力

どんなテーマが与えられても努力を惜しまない力
他人の4倍努力する。
バランスを崩すため。バランスを崩せない=ビジネススキル評論家、優等生
実現条件
・努力へのエンジン点火(ネガティブ感情:劣等感、敗北感、焦りなど)
・エンジンを回すガソリン(競争心、闘争本能)
・挑戦を持続させるもの(血湧き肉踊る夢)
努力力の中身
・地味な下積みもいとわない
・仕事をもぎ取る積極性
・自分の金を投資する姿勢
努力力発揮体験で学ぶべきこと
・限界値への挑戦経験
・報われる成功経験

学習力

新しいものを効率よく学ぶ力
次々に難しい課題に挑戦して学ぶ。
学習力3段階
1. 要約して覚える学習
・最低限の力を効率よく。理解は浅い
2. 相手の頭で考える学習
・学ぶ対象と完全に同化しようとする学習
・論理やプロセスを完全に追跡し、頭で再現
・時間効率は極めて悪いが、理解は深い
3. 自分の頭で考える学習
・自分の見方で対象を理解する学習。
・ざっと目を通し、「要するに何が言いたいのか」をじっと考え、一言のメッセージから
逆に細かいところを理解する
・時間効率はよく、理解も深い
・修練が必要。努力力、極端力を突き詰めた人間にのみ贈られる。

※読んでいて「本を読む本」を思い出しました。(著者も意識している?)

本を読む本 (講談社学術文庫)

本を読む本 (講談社学術文庫)

受容力

極端力の反作用を受け入れるだけの達観できる力
・どうにも出来ないことは受け入れる。
・自分の力で直そうとすると破綻への道になることも。

この4つを合わせた苦労力を20代は学ぶべき。

■所感

「生き急ぎ」が20代に対する問題と書いてありましたが、それはこの本で言う世間の情報に踊らされた生き急ぎ、
ステータスを追い求めた生き急ぎ、人生の早い段階で成功してまとめてしまおうという生き急ぎ、であり、基本的には
「生き急ぎ」は必要なことなのではないかと思います。
いい意味で生き急がないと成功(ステータス的な意味ではなく)は不可能でしょうからね。

本書のメッセージの1つは

「正しい方向へ生き急げ」

そう言い換えられるかもしれません。


また、知の高速道路(インターネットの普及がもたらした学習の高速道路と大渋滞
における大渋滞から頭一つ抜け出すのに必要なのは、本書に出てくるような「仕事筋」・「マシン性能」というのが一つの回答に成り得る
かもしれないと思いました。


また一方で、こんなエントリも最近読みまして。
ココ↑に記載されていたものを読んだだけでも。。
男性も女性も大変。(^^;)

情報に踊らされていい意味(?)でステータス追っかけて少子化対策に貢献!

て輩がいても不思議じゃないですけどね^^

私は著者の言うような40代で大成できるような人間を目指します。

(選択肢だって、それしかないってか 笑)